第13章:平静をかき乱す傷跡
[υ] - εγλ 0002/10/1 AM2:00 ニブルヘイム


ロッド「セフィロスが魔晄炉に転落!生存の可能性はゼロ!」

ニブルヘイムへと向かっている最中のヘリ。ツォンがロッドから報告を受けているシーンから始まる。

ツォン「なんだって!?」

ロッド「怪我人がいるんだ。ニブルヘイム魔晄炉に大至急救護チームを送ってくれ」

ツォン「分かった(こんな一大事になぜ主任は不在なんだ・・・私一人で対処しきれるだろうか・・・)」


画面切り替え。魔晄炉の中のロッド。広い場所に、気絶しているザックスとクラウドを運んでいた。

ロッド「ザックス、クラウド。もう少し我慢してくれ。すぐに救護チームが来るからな」

そこへモンスターが現れる。

ロッド「モンスター!? く、来るな!」

モンスターと連戦。
ロッド「次から次へと・・・どうなってんだこの魔晄炉!!」

再び連戦。

ロッド「ふぅ、いなくなったみたいだな」

その時、突然宝条が現れる。

宝条「セフィロスめ・・・思い切ったことをしてくれた・・・」

宝条に続いてやって来たツォン。

ロッド「ツォンさん、博士がなぜここに?」

ツォン「博士が同行したいとおっしゃってね・・・・・・」

ロッド「ツォンさん? どうした? 浮かない顔して」

ツォン「いや、なんでもない。社長から超極秘任務の指令が出ている」

ロッド「極秘任務!?」

ツォン「詳しい話は後だ。まずは村に戻ってレノとルードを手伝ってくれ。レノたちは村の生存者を救出している」

ロッド「リョウカイ。二人を頼む」

魔晄炉を出て行くロッド。
その場に残ったツォンさんと宝条。

宝条「村の処理はどうなっている?」

ツォン「すぐに作業を開始しております。しかし・・・そこまでやる必要があるのでしょうか」

宝条「君の意見など、どうでもいいのだよ」

その場に寝かされているザックスとクラウドを見下ろす。

宝条「(セフィロスと戦って生き残った兵士か)面白い・・・・・・実に面白い。新たな研究サンプルに使えるな。君、例の屋敷の整備をしてくれたまえ」

ツォン「はっ」

宝条「またあの屋敷で研究する日がくるとはな。クックックッ」


画面切り替え。ニブルヘイムの村へ戻ったロッド。

ロッド「うわ・・・こりゃひどい・・・すっかり焼け落ちている」

ツォンから着信。

ツォン「私だ。状況は?」

ロッド「ちょうど今、村についたところだ」

ツォン「ちょうどいい。村で一番大きな屋敷があるだろ?」

ロッド「確かにあるぞ」

ツォン「その屋敷に向かってくれ」

ロッド「なんでだ? 生存者を捜すの俺も手伝うぜ」

ツォン「これも重要な仕事だ。屋敷の地下にある研究室に行ってくれ。設備の状況を調べてほしい」

ロッド「それのどこが重要なんだ? そんなのいつでもできるだろ」

ツォン「今日から屋敷で新しい研究が始まる。宝条博士が実験を思いついたそうだ。そのためにも必要なんだ」

ロッド「(実験・・・? 一体なんの実験を始める気だ?)」


画面切り替え。神羅屋敷に入るロッド。中に入るとツォンから再び着信

ツォン「ロッド、研究室に向かってくれ。正面階段を上って、右の扉の奥にある階段を下りた所だ」

ロッド「リョウカイ」

指示通りに進むロッド。
階段を下りたはずなのに、階段上に立っている事に気付く。

ロッド「あれ?」

不思議に思いながら再び階段を下りる。だが、再び階段上に立っている。

ロッド「!! 妙だな・・・やっぱりおかしい!」

少し戻ると、前の部屋に戻ってしまう等、不思議な現象が起きる。

ロッド「あっ、さっきと同じ場所・・・全然進んでなかったってことか。どうなってんだ?うわっ、とと・・・電話か・・・」

怪奇現象が続くため、携帯の着信音にも驚くロッド。

ツォン「ロッド状況は?」

ロッド「すいません・・・まだです(何度も同じところに戻るなんて言っても信じるわけないか?)」

ツォン「ちょうど良かった。博士から、書庫にある重要機密隠滅の依頼を受けた」

ロッド「重要機密の隠滅? 何のために?」

ツォン「屋敷を使い始めると、人の出入りが増える。その前に機密を処分しておきたいそうだ。書庫は鍵がかかっているから、まずは書庫の鍵を探してくれ」

ロッド「リョウカイ」

ツォン「それからもし異常があれば解決しておいてくれ」

書庫の鍵を探すロッド。

ロッド「! なっ なんだあれ」

前方の廊下に青白い人魂らしいものが浮いている。

ロッド「ちっ近づいてくる!? 逃げろ!!」

急いで近くの部屋に逃げ込む。だが、そこにも人魂が。

ロッド「うわっ、ここにも!?とっ、とにかく明かり、スイッチ、どっかに・・・」

壁のスイッチを発見し、慌ててスイッチを入れる。
部屋が明るくなると、人魂がモンスターに変わる。

ロッド「おっ!? (これが正体か。明るいと正体を現わすんだな。これなら倒せそうだな。明かりを点けながら進んで鍵を探そう)」

明かりを点け、モンスターを倒しながら進むロッド。

ロッド「(なんなんだよここは!? ほんとに、こんな所で実験するつもりなのか!?)」

屋敷中を探し回り、鍵を発見。
ツォンさんに連絡。

ロッド「ツォンさん、鍵を見つけたぞ。書庫はどこにあるんだ?」

ツォン「宝条博士に連絡を取る。ロッドも書庫を探してみてくれ」

ロッド「リョウカイ(今度は書庫探しだ!)」

再び明かりを点け、モンスターを倒しながら書庫を探す。
※先程の鍵は書庫の鍵ではなく、別の部屋の鍵。その鍵を使って進んだ先の部屋で本当の書庫の鍵を発見。
ツォンから着信。

ロッド「わっ」

ツォン「ロッドか」

ロッド「書庫の鍵を見つけました。消却する資料はなんですか?」

ツォン「宝条博士に替わる」

宝条「宝条だ。書庫は2階の左のつきあたりだ。あそこの書類はすべて秘密情報だ。中身は見るなよ」

ロッド「分かりました。それで、焼却する資料はどう判断するんですか?」

宝条「背表紙にNo.5763と書いてある」

ロッド「(そんな半端な数覚えてんのかよ!?) リョウカイ」

2階の書庫へ向かうロッド。

ロッド「この先か(博士はどんな資料を隠滅したがっているんだろう・・・)」

書庫の中のモンスターを倒し、本棚の前へ。

ロッド「背表紙No.3022か。違うな・・・」

選択肢。
・読んじまうか
・読んじゃだめだよな

読むを選択。

ロッド「言わなきゃいいよな・・・うわ、古いな。所々読めない。『○○○村誤爆の隠蔽のため、犠牲者はここですべて処分』処分!? ひどいな・・・」

別の資料。

選択肢。
・読んじまうか
・読んじゃだめだよな

読むを選択。

「背表紙No.7134か。違うな・・・言わなきゃいいよな・・・最近、奇妙な事件が報告されている。しかし私は、そんな非科学的現象の存在を信じない。あらゆる事象には、必ず科学的根拠があるはずだ。それを以下で証明する』ふむふむ・・・『ゆえにこれは証明された』う・・・難しくて理解できない・・・つまり博士は、なんでも科学で証明したいんだな)」

別の資料。

選択肢。
・読んじまうか
・読んじゃだめだよな

読むを選択。

「背表紙No.5763か。これだな『○○○村の被害者にとある実験を試みた。人体とマテリアの融合であるその根拠は・・・』う・・・難しくて理解できない・・・『この為、本件は失敗。人体とマテリアの直接融合は不可能と判断。通常の人間の場合、特定の材質の義肢を介在しないと不可能』・・・ははーん。宝条博士、この失敗記録を消したかったのか?)」

ツォンさんに連絡。

ロッド「目的の資料を見つけたぜ」

ツォン「ご苦労だった。博士に替わる」

宝条「中は見ていないだろうな?」

ロッド「はい、これから焼却します」

宝条「暖炉のある部屋に行け。そこの暖炉で跡形もなく燃やしておけ」

ロッド「リョ、リョウカイ(暖炉の部屋か・・・どこだっけな・・・)」


画面切り替え。ニブルヘイムの村に立つ、宝条、ツォン。そこにヴェルドが現れる。

ツォン「主任!! 戻られたのですね」

ヴェルド「社長から連絡を受けて駆けつけた」

宝条「今ごろ到着か。この一大事にタークスの主任がいないとはな。一体何をしていたのやら・・・」

ヴェルド「すいません。ご迷惑をお掛けしました」

宝条「見たまえ、この光景。思い出すねぇ・・・」

ヴェルド「くっ・・・」

宝条「クックックッ。私の素晴らしい研究成果を君に施した、あの日の光景に似ている」

ヴェルド「・・・・・・」

宝条「また新しい実験を始めることにした」

ヴェルド「例の屋敷を使うつもりですか?」

宝条「そうだ」

ヴェルド「あそこは使用をやめていたはずでは?」

宝条「問題はない。君の部下に研究室の状況を調べさせているからね」

ヴェルド「(なんだって!? あの屋敷に入ったのか。無事だといいが・・・)」


画面切り替え。神羅屋敷。暖炉の部屋にいるロッド。

ロッド「(暖炉に火がついてるな)ここに資料を投げ込めばいいな。てやぁ」

※何故火がついていたかは謎。

ロッド「一気に燃えつきたな。研究室に行ってみるか・・・行きつけるかな・・・」

暖炉の部屋を出ようとすると、ヴェルドが入って来た。

ロッド「主任! 戻られたんですか?」

ヴェルド「ああ、それよりロッド無事か?」

ロッド「はい。今から研究室へ行くところです」

ヴェルド「おかしなことは起きなかったか?」

ロッド「えぇ・・・まぁ」

ヴェルド「ここでは昔いろいろ問題が起きてな。使用をやめていた施設なんだ」

ロッド「え!?」

ヴェルド「研究室には俺も行く。ついて来い。はぐれるなよ」


主任の後に続き、無事研究室に辿り着く。

ヴェルド「くっ、相変わらず嫌な雰囲気だ・・・」

研究室内を確認するヴェルド。

ヴェルド「これでよし、これなら十分使えそうだな。さぁ、帰るぞ」

ロッド「主任・・・博士はここで何を始めようとしているんですか?」

ヴェルド「さあな。俺達が知らなくてもいい実験だ」

先に研究室を出るヴェルド。

ヴェルド「なんだ、これはっ!?」

ロッド「主任!!」

ヴェルドの後を追うロッド。

ロッド「う・・・うわーっ!!」

信じられない光景が広がる。

ロッド「なっ!」

ヴェルド「これは・・・ミッドガル八番街・・・」

神羅屋敷の廊下に出るはずが、何故かミッドガル八番街に立っている二人。

ロッド「どういうことですか主任!」

ヴェルド「わからん。これはマボロシなのか・・・?」

後ろを振り返ると、扉が消えていた。
ロッドの携帯からツォンの声が。

ツォン『任務だ。八番街の警備にあたれ』

ロッド「は!?」

ツォン『タークスの初仕事は八番街の警備。これが我々の伝統だ。先輩のレノやルード、もちろん私もこの仕事から始まった』

第一章と同じ台詞を繰り返すツォン。

ロッド「ツォンさん! ちょっと待ってくれ」

ツォン『仕事になれるつもりで任務にあたれ』

ロッド「ツォンさん、聞こえてないのか!?」

切られる通話。

ヴェルド「ツォンからか?」

ロッド「はい、でも俺の声は聞こえていないみたいでした」

ヴェルド「戻れないなら仕方ない。とにかく先に進んでみよう。何か分かるかもしれない」

ロッド「リョウカイ」

街を進んで行くと、前方にアバランチを発見。

アバランチ『神羅への積年の恨みを晴らす時が来た。しくじるな。神羅に裁きを!』

ロッド「う・・・見覚えのある光景だ」

ヴェルド「・・・・・・」

ロッドの携帯が鳴り、アバランチに気付かれる。

ロッド「(あの日と同じだ・・・)」

アバランチが向かって来るので、ロッドもアバランチに向かって走り出す。

ヴェルド「待て! 危ない! こいつは、ただのアバランチ兵じゃない」

ロッドの前へ出て、腕から何かを飛ばすヴェルド。
攻撃を受けたアバランチがモンスターに変わる。

ヴェルド「これが正体だ」

ロッド「(主任が戦うところ初めて見た・・・強い・・・)主任、その腕・・・」

ヴェルド「・・・義手だ。マテリアを仕込めるようになっている」

ロッド「どうしてそんな・・・」

ヴェルド「タークスを続けるためだ(この腕こそ俺がタークスであり続ける理由だ・・・)さぁ、先を急ごう」

ロッド「リョウカイ」

八番街を進もうとすると、別のアバランチが襲い掛かって来た。
戦闘終了。再びツォンから着信。

ツォン『事の経緯を報告してくれ』

ロッド「ツォンさん! 今日は何日だ!?」

ツォン『神羅に恨み・・・? 一体何者だ・・・?調査が必要だ。他に仲間がいないか確認しろ』

ロッド「やっぱり聞こえてないのか」

アバランチに扮したモンスターを倒し、魔晄炉入り口前に到着する。

ヴェルド「この状況・・・どうやら、アバランチが初めて攻撃を開始した日のようだな」

ロッド「はい。俺この光景見てました。どうしますか?」

ヴェルド「水路の中に入ってみよう。あれは魔晄炉へ通じる水路だ。何か活路が見いだせるかもしれない」

ロッド「リョウカイ」

ヴェルド「まずはあの門番を・・・」

ロッド「主任! 俺が行きます」

見張りのアバランチ(モンスター)を倒すロッド。
水路へと入ろうとすると、アバランチに囲まれてしまう。

ロッド「主任!?」

ヴェルド「ロッド落ち着け」

レノ『おいおいロッド!初日から、えらい修羅場に巻き込まれてんな、と』

ロッド「レノ!」

ヴェルド「・・・・・・」

ロッドとは対照的に無言のヴェルド。
レノがロッド達の元へ駆け寄り、そのままヴェルドに向かって武器をを振り下ろす。避けるヴェルド。

ロッド「レノ!? どうしたんだ!? いきなり襲ってきやがって」

ヴェルド「ロッド、落ち着け」

ヴェルドがレノに攻撃する。アバランチと同じようにレノもモンスターに変わる。

ロッド「レノもニセモノか・・・」

ヴェルド「ロッド、ひるむな! 行くぞっ!」

ロッド「はいっ!」

戦闘終了後、どこからか声が。

『どうした? 取り乱すな タークスたるもの、常に平常心を保つべし』

ロッド「しゅ、主任!?」

現れたのはもう一人のヴェルド。

ヴェルド『どうだ? 気にいったか?』

偽者の前に出るヴェルド。

ヴェルド「小賢しい・・・おとなしく正体を現せ」

ヴェルド『さすがはタークス主任。強靱な精神を持っているようだな。では、これならどうかな?』

水路の方へと歩いて行く偽物。

ヴェルド『さあ、ついて来い。次は何が出るかな・・・』

ロッド「主任・・・」

ヴェルド「行くしかない」

偽者の後を追って行くと、突然、カームの街中に出た。

ロッド「今度はカーム? ん、主任」

ロッドとヴェルドの前に、先程の偽物とは別の、もう1人のヴェルドが現れる。

ロッド「主任!? これは・・・」

ヴェルド「まさか・・・」

ロッド「マボロシだよな?」

突然、地面が揺れ、街が燃え上がる(ニブルヘイムに似た光景)。
もう1人のヴェルドが動揺している。

ヴェルド『なぜだ・・・なぜカームが爆撃されたんだ・・・?家は!?』

どこかへと走って行く、もう一人のヴェルド。

ヴェルド「くっ、やはりあの日か・・・」

ロッド「あっ、主任!?」

その様子を見ていたヴェルドも、もう1人の自分が走って行った方向へ行ってしまう。
ロッドも続ことするが、モンスターに行く手を阻まれる。

ロッド「くっ、邪魔すんなよ!!」

モンスターを倒すと、辺りの火は消えており、元通りのカームになっていた。

ロッド「さっきの場所・・・時間がさかのぼったのか?」

カームから少し離れた場所に、神羅の軍が待機している。

軍「こちらAチーム」

ヴェルド?「爆撃開始。ターゲットはカーム」

軍「カーム!? 話が違う!おい!応答願う!!」

軍「どうした?」

軍「電波の状態が悪い」

軍「爆撃開始の連絡だろ? さっさと終わらせようぜ。ターゲットは?」

軍「カームだって」

軍「打ち合わせと違うな、カームはヴェルドの故郷だろ!?」

軍「家族には逃げるように手配してんだろ。でもタークスだったら、仕事のために家族を見捨てるかもな」

軍「ふ〜怖い、怖い。俺達もタークスに消されないように、さっさと爆撃しよう」

そして、再び火に包まれるカームの街。

ヴェルド『うぅっ! なぜだ・・・なぜカームが爆撃されたんだ・・・?家は!?』

ヴェルド?「くっ やはりあの日か・・・」

ロッド「あの日!? 主任、あの日って何ですか!?」

ヴェルド?「カームの爆撃。そして、俺がこの腕を手に入れた日」

ロッド「カームの爆撃!? いつの話ですか!? そんな大事件、聞いたことはない」

ヴェルド?「お前が知らないのは当然だ。俺がカームを爆撃してしまった。そして、タークスとして、俺がこの事件を歴史から抹消した」

再び過去のもう1人の自分の後を追うヴェルド?。

ロッド「主任!! 待ってください!」

ヴェルド?「そして・・・あの日の犠牲者も、ニブルヘイムに送られたんだ・・・」

ヴェルド?の後を追おうとするが、再びモンスターに行く手を阻まれるロッド。
戦闘終了後、爆撃される前のカームの状態へと再び戻っていた。

ロッド「また戻ったのか? でも、誰もいない・・・」

そこへもう1人の過去のヴェルドが現れる。
無線で指示を出し始める。

ヴェルド『爆撃開始。ターゲットはカームから北へ50km。おい!聞いてるのか!?』

電波の状態が悪く『来たへ50km』の部分が軍に通じていなかった事が明らかになる。
いつの間にか隣に本物のヴェルドが立っていた。

ヴェルド「狙おうが狙わなかろうが。同じ事だ。あの日カームが爆撃を受けたことには変わりない。俺がカームを爆撃した。俺が妻も娘も・・・殺したんだ・・・」

カームの町が再び火に包まれる。
過去のヴェルドがその光景を見てまた嘆いている。

ヴェルド?『うぅっ!』

ヴェルド「俺がカームを爆撃した・・・」

ヴェルド?『それなのにお前だけが生き残った・・・』

ヴェルド「そうだ・・・妻も・・・娘も・・・ニブルヘイムに運ばれて死んだ」

ヴェルド?『それだけじゃない』

ヴェルド「犠牲者はすべて俺が運んだ。ニブルヘイムのこの屋敷に」

ヴェルド?『そして・・・みんな殺された・・・お前のミスを隠蔽するために・・・お前だけは許さない!!』

偽ヴェルドは言い終えると、正体を現す。正体はモンスター。
同時に、本物のヴェルドが石にされる

ロッド「主任!? 主任が石にされた!?主任を破壊する気だな!?させるもんか!!」

モンスターを撃破。

戦闘終了後、辺りは元の神羅屋敷の研究室になっていた。
石にされたヴェルドも元に戻っていた。

ヴェルド「幻影が晴れたか・・・」

ロッド「主任、大丈夫ですか?」

ヴェルド「ああ。モンスターが倒されて石化も解けたようだな」

ロッド「あの幻影は・・・いったい・・・」

ヴェルド「・・・ここでは色々な実験が繰り返されてきた」

ロッド「! (焼いたあの重要書類もそうなのか・・・)」

ヴェルド「これがタークスの仕事だ。自分の娘すら殺しても平然と仕事を続ける」

ロッド「・・・・・・分かっています・・・多分・・・」

ヴェルド「ならば、いい。戻るぞ」

ロッド「はい・・・(この村で再び隠蔽が行われる・・・)」


神羅屋敷の外で待つツォン、宝条。そこへレノとルードが戻って来た。

レノ「ツォンさん、怪我人は全員テントに集めたぞ、と」

ルード「後は屋敷で手当てするだけだ」

レノとルードは、怪我人が実験に使われる事は知らない。

ツォン「そう・・・だな・・・」

宝条「クックックッ。屋敷の整備はまだ終わらないのか?」

ロッドとヴェルドが屋敷から出て来る。

宝条「待ちわびたよ・・・早速、生存者は全部研究室に運んでくれたまえ。カームの隠蔽のように速やかに頼むよ」

宝条の言葉を聞き、察したレノとルード。

レノ「主任。屋敷に運んだ村人はもしかして・・・」

ヴェルド「・・・・・・」

レノ「口を封じる?」

ルード「それはつまり・・・」

宝条「安心したまえ。殺しはしない。私の素晴らしいアイディアを実現するサンプルになるんだ。口封じの対象を研究に利用する。実に効率的な資源の活用方法だと思わないか? クックックッ」

ツォン「くっ・・・」

レノ「・・・・・・急に村人がいなくなりゃばれちまうぞ、と」

ヴェルド「・・・心配いらない。神羅の社員でこの村を完全に再現する」

ツォン「・・・・・・」

ロッド「(そこまでするのか・・・ひどい・・・)」

さっさと神羅屋敷の中へ入って行く宝条。残されたタークス。

ルード「主任・・・」

ツォン「この仕事はあまりにも汚すぎます」

レノ「こればっかりはできないぞ、と」

次々と異を唱えるタークス。

ヴェルド「・・・・・・よし。この隠蔽い工作には、お前達は手を出さなくていい」

ロッド「!?」

ヴェルド「後は俺がすべて引き受ける(あの日からだ・・・あの日以来、俺は一切の感情を殺して、仕事にあたることにした。仕事の間だけは、後悔と喪失感を忘れることができた。家族を失った俺にはタークスが唯一の支えだったのだ。しかしお前達には、俺のようにはなってほしくない。だからこの隠蔽は俺がする)」

一人で神羅屋敷に入って行くヴェルド。タークスメンバーも後を追う。ロッドだけが立ち尽くしたまま。

ロッド「(タークスって何なんだ・・・こんなに汚い仕事なのかよ・・・ザックス・・・クラウド・・・ごめん・・・俺のせいだ・・・こんな事なら二人を逃がしときゃよかった・・・)」

ティファの白い猫が現れる。

ロッド「(お前も無事だったのか)」

猫「にゃ・・・」

ロッド「(早く逃げろ。ここにいたら宝条に何をされるか分からない。安心しろ。ティファが逃げのびている事は誰にも言わない。ティファと離れても一人で強く生きろ)」

猫が走り去って行く。

ロッド「(俺からタークスを取ったら何が残る?あの猫みたいに一人で生きていけるだろうか?)」


画面切り替え。
神羅本社ビル会議室。社長の元へヴェルドが現れる。

ヴェルド「社長、只今ニブルヘイムから戻りました」

社長「ヴェルドか。事件の隠蔽工作、御苦労だった。しかし、わしがお前を呼んだ本当の理由は分かっているな?」

ヴェルド「もちろんです。社長の特命である極秘調査の結果を報告します」

社長「うむ。アバランチの本拠地は分かったのか」

ヴェルド「ウータイです」

社長「くっ、あそこは神羅に恨みを持つ者が多いからな」

ヴェルド「本拠地壊滅に向け、早急に準備を進めます」

社長「うむ。ようやく奴らを消せる時がきたか・・・」

ヴェルド「そして内通者の件ですが・・・」

社長「ついに分かったか!? 内通者はいったい誰なんだ!?」

ヴェルド「はい。内通者は・・・」



14章

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