第7章:散光を覆う闇
[υ] - εγλ 0002/1/14 AM2:00 アイシクルロッジ


アイシクルロッジの神羅基地に2人のソルジャーの姿が。


エッサイ「ようやく基地に着いたな・・・」

セバスチャン「なあ、エッサイ。こんな基地さっさと撤収しようぜ。ここは雪しかなくて退屈で仕方ない」

エッサイ「勘違いするな、セバスチャン。俺たちは任務で来てるんだぞ」

セバスチャン「任務!? あのモンスター退治のことか?あんなの手ごたえなさすぎで、仕事のうちに入らないぜ」

黒服のアバランチが二人現れる

セバスチャン「何者だ?」

エッサイ「この服装・・・こいつらが例のアバランチって奴らだ」


セバスチャン「で・・・その敵が俺達に何のようだ?」

エッサイ「やめておけ、セバスチャン」

セバスチャン「安心しろ。遊びだ、遊び。人間相手に本気なんて出すかよ」

アバランチ「クックックッ」

アバランチは凄まじい速さでセバスチャンの横を通り過ぎる。倒れるセバスチャン

エッサイ「セバスチャン!!」

セバスチャン「ぐっ・・・は、速いっ・・・」

エッサイ「セバスチャン・・・そんなバカな・・・」

セバスチャンと同じくやられる、エッサイ。

アバランチ「よし・・・連れて帰るぞ・・・」

アバランチに攫われていく2人。


※ ※ ※


神羅会議室にて、アイシクルロッジの基地の状況を報告するツォン。

ツォン「報告です。アイシクルロッジの前線基地が何者かの手により壊滅。現場にいた2人のソルジャーが消息を絶っています」

ヴェルド「壊滅だと!?・・・・・・ソルジャーに対抗しうる力があると言うのか・・・」

ツォン「現在、ロッドと同じメンバーのタークス2人をアイシクルロッジに向かわせています」

社長「ヴェルド! 一体どういう事だ!! ソルジャーがいて拠点が壊滅だと?」

ヴェルド「しかし・・・事実は事実です。現在、部下に至急調査させています。情報が入り次第、お伝えしますのでお待ちください」

社長「とにかく原因の追求を急げ!」

ヴェルド「はっ」


画面切り替え。アイシクルロッジ。


ロッド「ツォンさん、アイシクルロッジに着きました」

ツォン「アイシクルロッジの前線基地が潰された」

ロッド「!? アバランチですか?」

ツォン「詳細は不明だが間違いないだろう。基地にいた二人のソルジャーも行方不明になっている」

ロッド「ソルジャーがいてやられたんですか!?」

ツォン「それほど大規模な攻撃を受けたんだろう。おそらく近くに大きな拠点があるはずだ。もう1人のメンバーも拠点探しに入っている。ロッドも拠点の捜索に当たれ。拠点はそこからまっすぐ北にあると予想される。そのまま北へ進んでくれ」

ロッド「リョウカイ」

吹雪の中、辺りを見渡すロッド。

ロッド「(うぅ、さむっ。とにかく進もう。モタモタしてたら凍え死にそうだ)」


アバランチの拠点と思われる場所に入ると、番犬のようなモンスターがいる。サーチライトもあちこち照らしている。

ロッド「(すごい警備だ・・・やっぱりここが拠点なのか?)」

ツォンに連絡。

ロッド「報告です。拠点らしき施設を発見しました」

ツォン「潜入できそうか?」

ロッド「やります」

サーチライトを避け、モンスターを倒しながら先へ進む。

ロッド「全貌をあばいてやる」


画面切り替え。神羅本社会議室。

ツォン「報告です。ロッドから、アイシクルロッジに拠点らしき施設を発見したと報告がありました」

ヴェルド「そうか・・・しかし・・・まだ情報が足りんな・・・」

ツォン「引き続きロッドに調査させています」

社長「ヴェルド。何か情報が入ったのか?」

ヴェルド「部下が拠点らしき施設を発見しました」

社長「よし、すぐに出撃しろ」

ヴェルド「お待ち下さい社長。まだ拠点と決まったわけではありません。ただ今確認させています」

社長「・・・・・・とにかく急いで情報を集めろ!」

ヴェルド「はっ」


画面切り替え。ロッドが潜入したと思われる拠点。
侵入者アリという警報が鳴り、走り回るアバランチ。
ある部屋にはフヒトと一人の黒いアバランチ兵が。
フヒト「ティアス」

ティアス「はい」

フヒト「星への生贄がご到着のようです。早速、始末して星に帰してください」

ティアス「はっ」

フヒト「よいですか、ティアス。この星は日々死に向かっています。この最大の原因は神羅カンパニー。神羅が魔晄エネルギーを吸い出して星を傷つけているためです」

ティ明日「・・・・・・」

フヒト「ですから・・・神羅が奪った星の命は、神羅に関わる者の命で補填するのです」

ティアス「・・・・・・」

フヒト「それがこの星を憂う、私達の義務というもの。当然、あなた方『レイブン』の義務でもあるのです」

ティアス「心得ています」

ティアスは部屋を出て行った後、一人つぶやくフヒト。

フヒト「神羅はこの星の最大の害悪です。一刻も早く倒さねばなりませんね。フフフ」


警報が鳴り響く中、ロッドが走る。
モンスターやサーチライトが消える。別の侵入者現れ、ロッドがいるエリアは手薄になっている。

ロッド「(俺の他にも侵入者がいるとすれば、タークスのメンバーか!?)」

ツォンに報告。

ツォン「では、内部構造を調査しろ。ロッドが歩いた部分は端末に保存される。これを定期的に実行すればいい。今、お前がいる場所は、既に保存されているはずだ」

画面上に地図が表示され、一度歩いた場所は別の色で塗りつぶされる。
ツォン「これをすべて完成させろ」

ロッド「(歩き回ればいいってことだな)」

ツォン「忠告しておくが、これは敵地での任務だ。敵の動きを読み隠密行動すること。気づかれて仲間でも呼ばれたら生還は不可能だ」

ロッド「分かっています」

ツォン「結果は基地に戻ったら送信してもらう。施設の全貌をつかめ」

ロッド「リョウカイ」


全ての通路を通り、地図を完成させ、データを送信。
その後、先を進むと、ある部屋で行き止まりとなった。3つの巨大なカプセルが置いてある。

ロッド「こ、これは!?」

カプセルに走り寄るロッド。

ロッド「ソルジャー!? 早く助け出さないと」

カプセルを破壊し、エッサイとセバスチャンを救出。

ロッド「何があったんだ?」

エッサイ「・・・タークスか。助かった礼を言う」

セバスチャン「くそっ、みっともない。ソルジャーがタークスに助けられるとはなっ」

エッサイ「俺達は前線基地を担当していた」

セバスチャン「そうだ! 基地はどうした? 無事なんだろうな?」

ロッド「・・・・・・滅ぼされた」

セバスチャン「冗談だろ!? たった二人に滅ぼされたのか!?」

ロッド「二人!? あんな大きな基地だ。二人で潰すのは無理だろ?」

エッサイ「信じられないが事実だ。俺たちは二人の黒いアバランチ兵に襲われた」

セバスチャン「で、気づいたらカプセルの中だ」

ロッド「このカプセルはなんなんだ!?」

セバスチャン「知るかよ」

エッサイ「黒いアバランチ兵も入れられているな。仲間を入れているぐらいだ。体に悪い物ではなさそうだな」

ロッド「このカプセル・・・黒いアバランチ兵の強さと関係あるのか?」

エッサイ「その可能性はあるな。だとしたらなんで俺たちまで入れてたんだ?」

エッサイ「・・・・・・会社はここを潰す気なのか?」

ロッド「それを決めるために調査していたところだ」

エッサイ「もしここを潰すなら相当な兵力が必要だ」

セバスチャン「あぁ、なんせこいつらはソルジャー並みの能力を持ってるからな」

ロッド「とりあえず体勢の建て直しが必要だな」

ソルジャー二人は仮設基地へ帰還。ロッドはここに残り調査を続ける事に。
カプセルが気になったロッド。ツォンさんに連絡。

ツォン「ロッド 何かあったのか?」

ロッド「施設内でソルジャー二名を発見しました。行方不明になっていた前線基地のソルジャーです」

ツォン「無事だったのか」

ロッド「はい。仮説基地へ向かってもらいました。ただ、気になることがひとつ。二人はここで謎の液体に浸されていました」

ツォン「謎の液体? 毒か何かか?」

ロッド「いえ、黒いアバランチ兵も同じように浸されています」

ツォン「フヒトの部隊も? なにを企んでいるんだ・・・?」

ロッド「この装置壊しておきます」

ツォン「待て、敵の規模はどの程度なんだ?」

ロッド「かなり多いです」

ツォン「ならば下手に動くな。情報収集だけでいい」

ロッド「リョウカイ」

電話を切ると同時に、黒いアバランチ・ティアスが現れる。

ティアス「クックックッ。みつけたぞ」

ロッド「(黒いアバランチ兵!!)」


戦闘開始。戦闘終了。


ロッド「(なんとか切り抜けた・・・。ここは危ないな。脱出ルートを探しながら調査しよう)」


施設から脱出する為、中を走り回るロッド。

ロッド「!? (誰かいる)」

壁に身を寄せ、人の気配がする方の様子を窺う。

ロッド「(どうするか・・・? ここなら片づけた方が早そうだ)」

ロッド「(行く!!)」

飛び出すと、そこには二丁拳銃を構えたタークスの姿が。

ロッド「ジェイク!?(二丁拳銃♂仮名。パーティーを組んでいる他プレイヤーから一人ランダムで選ばれる…んだと記憶しているが、うろ覚え)」

二丁「ロッド!?」

ロッド「脅かすなよ・・・そっちはどうだ? 終わったのか?」

二丁「終わっている」

ロッド「なら、任務終了だな。さっさと帰ろう」

二丁「逃げるなら俺が調べたエリアの方がいい。ついてこい」

ロッド「わかった」


画面切り替え。
ティアスを倒した部屋に、フヒトが黒いアバランチ2人を引き連れてやって来た。

フヒト「少しはできるようですね。警戒を強化しましょう。ケイノス」

ケイノス「はっ」

フヒト「カイニュー」

カイニュー「はっ」

フヒト「作業を始めてください」

倒れているティアスに駆け寄るケイノスとカイニュー。


画面切り替え。
施設内を走るロッドと二丁拳銃。

ロッド「シャッターが閉まった!?
二丁「見つかったか。閉じ込められないうちにさっさと行くぞ」

二丁「こっちだ」

二丁拳銃の案内で先に進むも、前方のシャッターも閉まってしまう。

ロッド「こっちも!?道は他にもあるんだろ?次行くぞ次!」

次々と閉まるシャッター。警報が鳴り響く。
途中、アバランチと遭遇。戦闘。
数回戦った後、シャッターが落ちて来て二丁拳銃と離れ離れになる。
暫く別行動し、二丁拳銃と合流。アバランチを倒しながら施設の外へ脱出。
しかし施設の外にもアバランチが待ち構えており、戦闘開始。
戦闘を進めると、後ろから黒いアバランチが現れた。

ティアス「クックックッ」

ロッド「!! お、お前・・・」

二丁「知り合いか?」

ロッド「ついさっき確実に俺が倒したはず」

ティアスと戦闘開始。戦闘終了。

ロッド「ふぅ・・・切り抜けた・・・」

二丁「ロッド」

ロッド「なんでだ・・・一度倒したはずなのに・・・」

フヒト「不思議ですか?」

ロッド「!?」

振り返ると、そこにはフヒトが。

ロッド「おまえは・・・フヒト」

フヒト「ご無沙汰しております」

ロッド「(まずい・・・どう切り抜けるか・・・?)」

フヒト「フフフ。私の直属部隊『レイブン』は特別な存在なのです」

ロッド「特別だと?」

フヒト「あなたもカプセルをご覧になったでしょう。あれに『レイブン』を入れると蘇生できるのです」

ロッド「蘇生!? (あのカプセルはそういう装置だったのか)」

フヒト「ですから、彼らは永久に滅びません。たとえあなたが何度『レイブン』を倒そうとも・・・」

ロッド「無駄って訳か・・・」

フヒト「理解が早いですね。ですが・・・タークスひとりも倒せない不良品は」

突然構えるフヒト。

ロッド「(まずいっ!?)」

ロッドも身構える。

フヒト「星に帰っていただきます」

フヒトが撃った光線に包まれたティアスは、一瞬で消滅する。

ロッド「!? 嘘だろ・・・仲間じゃないのかよ!?」

フヒト「私達はこの星を守る組織です。星への害悪はすべて消します。これこそが星を癒すための唯一の術なのです」

ロッド「だから・・・仲間も平気で殺すのか!?」

フヒト「フフフ。殺さないと意味がないのです。神羅が吸い出したエネルギーを人の命で補填するのですから。さぁ、お待たせいたしました。次はあなたがたです。神羅に関わる者たちよ」

ロッド・二丁拳銃と共闘。
苦戦し、強制的に戦闘終了。

フヒト「星のために死になさい」

絶体絶命の所を、1台のトラックが突っ込んで来た

ロッド「!? 何だ!?」

???「ロッド! ジェイク!! 死にたくなければ乗るんだ!」

急いでトラックに乗り込む二人。
急発進するトラック。後を追おうとしたレイブンをフヒトが止める。

フヒト「お待ちなさい。追わなくて結構です。作戦はこれより次の段階へ移行します」

レイブン「はっ」


トラックの中。謎の人物とツォンが連絡を取り合っている。

ツォン「ロッドたちは回収できたか?」

???「ツォンさん。任務成功です」

ツォン「ご苦労。そのまま仮設基地へ向かえ」

???「承知しました」

ロッド「ちょっと電話を替わってくれ。主任に報告がある」

謎の人物から携帯を借りるロッド。

ヴェルド「状況はどうだった?」

ロッド「主任!この拠点は早く潰さないとまずいです。でないとフヒトの部隊は潰せません」

ヴェルド「ロッド、少し落ち着け。集めた情報は基地に着き次第送信しろ。それをもとに重要拠点かどうかを判断する」

ロッド「リョウカイ」

トラックを降りた3人。

???「ここからは走りだ。距離は少しあるが基地を隠すためだ。我慢してくれ」

ロッド「これぐらい大したことない。んなことよりお前は・・・」

???「すまない。自己紹介をする暇もなかったからな。正式には明日からタークスとなる新人だ」

「明日から?」

???→格闘♀「そうだ。この近くに住んでいてな。ミッドガルに向かおうとしていたところ連絡を受けたのだ」

ロッド「なるほど。そりゃ災難だったな」

格闘♀「それほどでもない。特別手当が出るのでむしろ幸運だ」

ロッド「余裕だな。てか、あんた、あんまり新人らしくないぞ。なんつぅかこう・・・堂々としてる」

格闘♀「今までは傭兵をしていたからな。当然だ」

ロッド「なるほどね。こんな緊急事態も慣れてるってことか。頼もしい奴が入ってきたな。よろしく」

格闘♀「よろしく頼む」


画面切り替え。神羅本社ビル会議室。重役会議中

社長「ヴェルド。あのケダモノどもの拠点はどうなってる?」

ヴェルド「はい。施設内の調査結果から重要拠点と判断してまちがいありません」

社長「うむ。ではセフィロスを出せ」

ヴェルド「セフィロスは別件で不在です」

社長「うぬぅ。では他のソルジャーを出す。ザックスはどうした?」

ヴェルド「ザックスも同じく不在です」

社長「これも重要案件だ。構わん、ザックスを呼べ!」

ヴェルド「はっ」

社長「ヴェルド。兵士達にこれだけは強く言っておけ。この作戦で・・・なんとしても拠点を潰せ!とな」


画面切り替え。
ソルジャーと兵士達が整列している。
そこには大剣を担いだ黒髪のソルジャーの姿もあった。




8章

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