カウントZERO -episode ???-
「もう一度聞く。レノ。わざと逃がしたのか?」
「いーえー。隙をつかれました。ソイツなかなかやるぞ、と」
「……まぁいい。結果は変わらん。任務に戻れ」
「はいよ、と」
彼が部屋から出ると、廊下にいたスキンヘッドの男が声を掛けた。
「主任にはバレている」
「いーのいーの。どうせそいつ、また来るし」
「どういう意味だ」
「んー。悪者の勘♪」
「お前は勘ばかりだ」
「いいじゃねぇか。ついでにタークス候補に推薦しといた。人手が増えてこっちも助かるぞ、と」
「資料を見たが…向いてない」
「そうだな。どっちかっつーとソルジャーの方が向いてる」
「じゃぁ、何故だ」
「んー? 言っただろ?」
「?」
「アイツは俺のオモチャだぞ、と」
「……言ってないだろう」
「そうだったか?」
「悪趣味だ」
「そりゃ、どーも」
彼は気付いていない。
その『オモチャ』に心囚われるまでのカウントダウンは既に始まっている。
-end-
目次 episode ROD
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