第22章後編:天さえも貫く脅威
[υ] - εγλ 0007/10/4 PM9:00 ミッドガル
強化戦闘員の攻撃を受け、倒れているツォン、レノ、ルード。
ツォン「(ヴェルド主任・・・そうだ・・・私は・・・行かなければならない・・・)」
立ち上がり、6体の強化戦闘員を倒すツォン。
ナレーション『ルーファウスとの取引で、ツォン達はヴェルドの拘束場所を突き止めた』
レノとルードも立ち上がる。
ツォン「行けるか?」
レノ「はいよ、と」
ルード「はい」
ツォン「急ぐぞ」
再び走り出す3人。
画面切り替え。
トラックを追って、ハイウェイを走るロッド。
ロッド「(駅に向かっているようだな。近道しよう。それにしても・・・アバランチはなんでイリーナをさらうんだ?)」
画面切り替え。
ハイウェイを走っているトラック。
レイブンがフヒトに報告している。
フヒト「・・・そうですか。例の娘は確保できたのですね。よくやりました。計画どおりそのまま駅へ向かってください」
レイブン「はっ」
フヒト「集合場所に変更はありません。私も最後の仕事を終えたら、すぐに向かいます。フフフ (ようやく好機が巡ってきました。エルフェの体内にある不完全なマテリア。この不足を補う4つのサポートマテリア。この5つが揃えばジルコニアエイドを召喚できます。これだけでは不完全な力しか持ちませんが・・・)」
画面切り替え。スラム街を走るシアーズ。
ナレーション
『シアーズは引き続き、決定的なエルフェ救出策を調べ続けていた。そして新たなる情報を手に入れていた』
シアーズ「まずい! ジルコニアエイドを完全体にする方法があったのか!?俺が調べられたくらいだ。フヒトもすでにこの方法を知っているだろう。このままではエルフェは殺される。だが、俺が必ずエルフェを守る」
シアーズの背後から急にビームのようなものが。ギリギリ避けるシアーズ。
シアーズ「何っ!」
フヒト「フフフ。お久しぶりです。シアーズ」
振り返ると、レイブン3人とフヒトが現れた。その傍らには一台のトラックが。
シアーズ「フヒト!!! エルフェはどこだ!?」
フヒト「この車の中です」
シアーズ「何っ!」
フヒト「おっと。動かないでください」
画面切り替え。列車の中のイリーナ。
イリーナ「ちょっと! 放してよっ!」
レイブンに前後を挟まれた状態で列車の中を進んでいる。
イリーナ「(これはミッドガル行きの列車。この人達・・・一体何をたくらんでいるの?)」
画面切り替え。フヒトと相対したシアーズ。
フヒト「フフフ、正しい選択です。エルフェの命が惜しければ言うとおりにしてください」
シアーズ「くっ」
フヒト「本日の用件はただ一つです。サポートマテリアをお返し願いたいのです」
シアーズ「(どうする・・・? エルフェを助けるためには召喚は必要だ。つまりサポートマテリアの持ち主は大きな問題ではない。むしろ問題は召喚後。そこでエルフェを守るほうが重要だ。ここはいったん従ってフヒトの後をつけたほうが得策か?召喚直後を狙ってエルフェを助けだそう)」
画面切り替え。ミッドガル行き列車の最後尾車両を走るロッド。
ロッド「イリーナ・・・この列車に乗せられたはずだ。どこに行った?」
列車の床に光る物が落ちている事に気付いて、駆け寄るロッド。
ロッド「これは・・・イリーナが持っていた格闘クラスのエリートエンブレム。間違いない。イリーナはここを通ったんだ。待ってろすぐ行く」
第5車両へと進むと、イリーナを取り囲むようにして7人のレイブンが立っていた。
ロッド「イリーナ!」
イリーナ「ロッド!? どうして!?」
ロッド「イリーナはタークスと無関係だ。放せ!」
イリーナ「クックックッ。ならばサポートマテリアと交換だ」
ロッド「サポートマテリアだと?(どうする? ここから先頭車両まであと4両。敵の数はそれほど多くはないだろう。ミッドガル到着まではまだ時間がある。なんとか全滅させられる。ここはいったん取引に応じよう。イリーナを助けてからまたサポートマテリアを取り返せばいい)」
イリーナ「ロッド、取引なんてしちゃダメ。これぐらい私でも脱出できる」
自分の前に立っていたレイブンの背中に向けて、蹴りを繰り出すイリーナ。
しかし全く効いていない。レイブンが笑いながら拳を振り上げる。
ロッド「イリーナ! ムリだ。分かった。サポートマテリアは渡してやる」
イリーナ「なんで!? 大事なものでしょ!?」
ロッド「イリーナ、いいんだ。イリーナを前へ出せ。俺もマテリアを投げる」
解放されてロッドの背後に走るイリーナ。同時にマテリア二つを投げるロッド。
マテリアを受け取ったレイブンが先頭車両へと向かって、走り出す。
ロッド「イリーナ、下がれ!」
イリーナ「何する気?」
ロッド「こうするんだ!」
残ったレイブンと戦闘。撃破。
ロッド「じゃあな、俺は行くぜ」
走り出したロッドを、イリーナが呼び止めます。
イリーナ「待って。私も行く」
ロッド「ダメだ、ここにいろ」
イリーナ「でも私のせいで迷惑をかけてしまった」
ロッド「大丈夫、取り返せる。あらゆる手段で任務を成功させる。それがタークスだ」
レイブンを追って走って行くロッド。それを見送るイリーナ。
ロッド「(へえ・・・タークスなんて神羅の犬だと思ってたけど・・・結構良いとこあるじゃん。姉さんと比べられるのは癪だけど・・・私も、もう一度タークス目指してがんばろうかな)」
画面切り替え。各車両でレイブンを倒し、先頭車両を到着したロッド。
ロッド「誰もいない。どこだ!? 上か!!」
列車の上へと逃げた事に気付き、ロッドも追う。
しかしロッドが列車の上に辿り着いた時、丁度擦れ違った列車の屋根へ飛び移るレイブン。
ロッド「やられた! アバランチは、この擦れ違いを知っていたのか!?」
ロッドの元にイリーナがやって来た。
イリーナ「ロッド! マテリアは?」
ロッド「だめだった。マテリアを持ってスラム街行きに乗り移りやがった」
イリーナ「ごめんなさい。私がドジ踏んだせいで・・・」
ロッド「気にすんな。まだ方法はある」
イリーナ「どうするの!?」
ロッド「神羅のヘリを奪って追いかける」
イリーナ「間に合うの!?」
ロッド「(今やタークスは神羅に追われている。ここで本社に戻るのは危険だ。でも・・・)」
イリーナ「そうか。間にあわせちゃう所がタークスなのね」
ロッド「ああそうだ・・・どんな任務も成功させるのがタークスだ!」
画面切り替え。
フヒトに撃たれ、倒れているシアーズ。
シアーズ「うぅ・・・」
フヒト「フフフ、これぐらいで十分でしょう。これで私達を追うことは不可能です。タークスのマテリアもそろそろ手に入っているはずです。先を急ぎましょう。召喚さえ終わってしまえばエルフェはもはや不要。エルフェを殺して、マテリアを取り出すことが可能です。そのマテリアを捧げればジルコニアエイドはすぐに完全体となります」
トラックに乗って去って行くフヒトとレイブン。
画面切り替え。列車の上のロッドの元にシアーズから着信。
ロッド「シアーズ? どうした!?」
シアーズ「フヒトに・・・サポートマテリアを奪われた・・・」
ロッド「何だって!? こっちも奪われた!」
シアーズ「ロッド・・・フヒトを・・・追ってくれ・・・あいつは・・・召喚獣を・・・完全体にする方法をつきとめた・・・」
ロッド「本当か!? まずい! 完全体になったら俺達だけじゃ倒せない」
シアーズ「防ぐ方法は・・・エルフェを守ること・・・召喚後・・・フヒトは・・・エルフェからマテリアを・・・取りだそうとする・・・」
ロッド「殺すってことか!?」
シアーズ「そうだ・・・エルフェを・・・頼む・・・どうやら俺は・・・行けそうにない・・・」
ロッド「シアーズ!!!」
画面切り替え。ゴミ処理場を走るツォン、レノ、ルード。
神羅兵「来たぞっ!」
神羅兵「撃てっ!」
神羅兵達の銃弾をかわし、先へと走る3人。
レノ「ツォンさん! あれだ! あの扉だぞ、と」
ツォン「どう開くか・・・」
ルード「ツォンさん、任せてください」
扉に向かって強烈なパンチを繰り出すルード。
レノ「開いた! さすがはルードだぞ、と」
扉の向こうへ入る3人。
ツォン「ヴェルド主任!!」
ヴェルド「お前達!? 何しにきた!?」
レノ「助けにです、と」
ヴェルド「もう神羅には戻れなくなるぞ」
レノ「これも仕事です、と」
ルード「・・・長い目で見れば」
ヴェルド「詭弁だ」
ツォン「主任の処刑は神羅にとって大損失です。神羅にはヴェルド主任が必要なのです。時間をかけて証明していきましょう。ロッドが逃走用の車を準備しています」
ヴェルド「・・・・・・分かった。ツォン、レノ、ルード、行くぞ」
画面切り替え。神羅本社ビル会議室の社長。
社長「(タークスめ・・・ヴェルドを奪ったか・・・まぁよい。今やタークス本部には誰もいない。これでタークス本部にいるルーファウスを取りもどせる。そうなればこっちのもの。ヴェルドはタークスもろとも消しさるだけだ)」
画面切り替え。ゴミ処理場を脱出しようとしている4人。ツォンの携帯にロッドから着信。
ロッド「ツォンさん。サポートマテリアがすべて奪われました」
ツォン「何だって!?」
ロッド「神羅のヘリを奪ってアバランチを追います」
ツォン「本社に戻るのか?」
ロッド「もう本社についています」
ツォン「・・・そうか、分かった。ロッド頼んだぞ」
ロッド「リョウカイ」
ツォン「気をつけろよ」
画面切り替え。本社ビル内のロッド。(イリーナとはいつの間にか分かれている)
ロッド「ヘリを奪って追跡だ」
本社ビル内を進もうとした瞬間、警報が鳴り響く。
『緊急事態発生。侵入者あり。セキュリティレベルS発令』
ロッド「しまった。さっそく気づかれたか」
セキュリティが発動した為、フロアが閉鎖される。
各フロアにいる神羅兵やモンスター(宝条の実験用サンプル)を倒しながら、カードキーを奪い、屋上へ到達し、ヘリポートに置いてあるヘリに乗り込むロッド。
ロッド「(アバランチを追うぞ。手がかりは・・・スラムの駅に、乗っていたトラックが停めてあった。またそれに乗っているはずだ。トラックを探そう」
画面切り替え。神羅本社ビル会議室の社長と、タークス本部から連れ出されたルーファウス。
社長「久しぶりだな。暫く見ないうちに随分とたくましくなったようだ」
ルーファウス「フッ」
画面切り替え。ヘリを操縦するロッド。
ロッド「間にあってくれ」
ハイウェイを走るトラックを発見。
ロッド「あれだ! あれがスラム街にとめてあったトラックだ。追いついたぞ。それ以上先に行かせないぜ。止まれ!」
ヘリでトラックに体当たりする。
トラックを乗り捨てて、走り出すレイブン。
ロッドもヘリを乗り捨てて後を追うが、別のレイブン4人に足どめされる。
ロッド「くっ(時間が)」
レイブン4人を撃破。
撃破後にマテリアを持つレイブンを追うが、その先で待っていたフヒトの元にレイブンが到着してしまう。フヒトの傍らには倒れたままのエルフェ。
フヒト「ご苦労様です。さぁ早くマテリアを」
フヒトにマテリアを渡すレイブン。
4つのサポートマテリアが揃い、エルフェの体の周りが青く光り出す。
フヒト「いよいよです。おぉ! これが星の偉大な力・・・」
ロッド「(もっと! もっと近づかないとだめだ!!)」
エルフェの体が今度は赤く光り、宙に浮く。
ロッドがようやく辿り着く。
フヒト「タークスですか。邪魔は許しません。皆さん、それは星をむしばむ害虫です。存在すら許されないチリです。速やかに排除してください」
レイブン3人を撃破するも、エルフェの体の光はより強くなり、4つの光が空へ飛んでいく。
フヒト「これで条件がすべて揃いました」
最後により大きな光が飛んでいく、エルフェの光は治まる。
フヒト「なんと・・・なんとまばゆい」
ミッドガルの夜空が赤く染まる。轟く雷鳴。
フヒト「端麗にして厳然。華麗にして荘厳。そして宇宙の真理をあまねく照らす深遠なる光!」
赤い夜空には、巨大な光のようなものが出現している。
ロッド「ついに・・・召喚が始まった」
フヒト「これでこの娘の役目は終わりです。体内のマテリアを取りだしましょう」
ロッド「待ちやがれ!!」
ジルコニアエイドを完全体にする為、エルフェの体内のマテリアを取り出そうとするフヒト。
とっさにエルフェを抱えて走り、フヒトから離れるロッド。
ロッド「エルフェは絶対俺が守る」
フヒト「エルフェを返しなさい」
ロッド「断る! ジルコニアエイドが完全体になったら全てが終っちまう!絶対させねぇ!」
ロッド「ことごとく邪魔するつもりですか!? 許しません!」
フヒトと1対1で戦闘開始。
戦闘中、地面に落ちている4つのサポートマテリアの異変に気付く。
ロッド「なんだ!? サポートマテリアの様子がおかしい!」
エルフェも再び青く光り始め、その体が再び宙へ浮く。
エルフェに駆け寄るロッド。
ロッド「何が起きているんだ!?」
エルフェの体内から赤いマテリアが出てきて中に浮く。
ロッド「マテリアが勝手に出てきた!?」
エルフェの体から出てきたマテリアは、地面に転がっている4つのサポートマテリアの元へと飛んで行き、一つのマテリアになった。
フヒト「おぉ! これを・・・ジルコニアエイドに届けることこそ、私に課せられた最大の使命。この星の再生に私の全てを捧げます」
そのマテリアを持って、走り去るフヒト。
ロッド「待て!」
急いでツォンに連絡するロッド。
エルフェは再び地面に倒れている。
ロッド「ツォンさん!」
画面切り替え。ゴミ処理場のツォン、レノ、ルード、ヴェルド。
ツォン「何だって!? 完全体になる可能性があるのか!?分かった、こっちは何とかする。頼んだぞ」
通話を終え、ヴェルドに報告するツォン。
ツォン「娘さんは無事に救出されました」
ヴェルド「皆・・・ありがとう。だがジルコニアエイドは?」
ツォン「召喚が始まりました。マテリアもフヒトの手に。ジルコニアエイドが完全体になる可能性があります」
ヴェルド「最悪の事態だ・・・」
ツォン「主任、ご安心ください。可能な限りの対策を講じます」
画面切り替え。ミッドガル上空に浮かぶ不気味な光の映像。
ツォン「召喚獣はタークスが」
ロッド・ツォン・レノ・タークス「必ず倒す!」
画面切り替え。
タークスプレイヤー可能キャラが全員集合している。
ロッド「フヒトは必ず止める。ジルコニアエイドが完全体になるのを、なんとしても防ぐぞ」
ナレーション『タークス史上最大の危機に挑む』
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